Groon-Eldergrain (1/144 スクラッチ)

・グルーン　エルダグライン

はっきり言って、ナイトフラグスでこのデザインを初めてみた時、特になんとも思いませんでした。むしろ、オージェやバっシュ、ＬＥＤなんかに比べて、地味で、あまり気合入ってないデザインなんだなぁ、と思ったりしました。
しかし設定的にはバッシュの兄弟騎でＭ型サイレン、となかなか美味しいものがありますし、エルガイムの頃から引き継がれている２本角の意匠も魅力的ではあります。（デザインの共通点はそれくらいですが）
そして、突然本編に登場です。フェイスデザインの変更は反則技と言っていいでしょう。そこだけですごくカッコよく思えてしまいました。

・製作開始

ＭＨモデラーは初めて新ＭＨのデザインを見たとき何を考えるでしょうか。私はまず、キット化の有無、それからスクラッチのしやすさを考えてしまいます。たいしたスクラッチの実績はなくても、妄想だけは人一倍です。そんな人、多いですよね、ね、ね？
それでまあ、グルーンをみた時にはすぐにボロボロの1/144バッシュの残骸のことが頭に浮かんでいました。肩と頭と腰アーマーをつくるだけで、グルーンぽいものができるんじゃないか、と。
しかし、急いで作りたいほど魅力的なＭＨでもなかったし、数ある妄想のひとつに過ぎなかったそのアイデアも、グルーンが本編に登場した瞬間に、頭の中で俄然現実味を帯びていきました。

・スクラッチ

実際に製作を開始してからのいきさつは製作記のほうに詳しいです。
基本的にはWAVEの1/144バッシュを基にウッドエポキシを盛って削って作っています。外観的には脚部に元のキットのラインが多く残っていますが、それ以外は芯ぐらいにしかなっていません。
元のキットが当時としては細身にアレンジされていることも、逆に今風のデザインラインに近くて改造しやすかったかもしれません。

・デザイン

ナイトフラグスと本編では全然デザインが違います。思ったよりもずっと違います。
じゃあどっちのバージョンでつくるのか、というと、迷わず「いいとこ取り＆俺解釈」でいくことに決めました。というのも、両デザインとも本編もちょっと考えればおかしなところがいっぱいでてくるので、あまり真面目に考えるのも馬鹿らしいのです。もう、手の赴くままってところです。
大雑把には・・・

・頭　・・・迷わずフェイスは本編版。製作中のダミーでＫＦ版も製作。ヘルメット、角はどっちつかずの適当版。
・胴体　・・・特に大きな違いはなさそうなので、それっぽく。
・肩　・・・基本的にはＫＦ版、に無理やり本編の要素も加えて造形。
・腕　・・・上腕というか肩装甲下部が収束していくのがこのデザインの醍醐味だと思うので、ＫＦ版でいく。見えない左腕は貧困な想像で造形。
・腰アーマー　・・・ＫＦの右腰アーマー、おかしいんじゃないっすか、スリットの数が。わざとってことはないよなあ・・・？
・足　・・・本編では見えません。ＫＦに従います。でもどう繋がっているかわからないラインは省略しています。
・ベイル　・・・ちょっと大きめが好きなので、そのように。裏側は大でっちあげ大会。
・剣　・・・本編版で。あまりかっこいいとは思わないのだが、三叉が特徴的ではあります。だらんと持たせてちょうど地面につくような長さ（ＫＦのように）にしたら、ベイルが大きいこととも相まってちょっと短くみえるなあ。

なんて偉そうに書きましたが、基本的にはアレンジのセンス、造形力ともに３流なので、まあこの程度のものです。

・塗装

これはもう勘弁して下さいって感じです。日本で基本色を大雑把に吹いた後、ベトナムで筆塗りです。
修正が発生したところは最悪です。
泣き言はおいておいて、色合い的にはあまり奇をてらわず無難なものにしたつもりです。既存のキットだと、ちょっと変わった塗装でアピールするのも好きなのですが、スクラッチの一品モノだとちょっとやりにくいです。
レシピは忘れましたが（オイ！）ブルーは紫よりの薄い青に少し銀を加えています。グレーの部分はパープルシルバーグレーってイメージで作ったはずです。

・２年９ヶ月

製作開始から完成まで２年と９ヶ月かかっています。もちろん、その間ずっと作り続けているわけではなく、というか作っていない期間のほうがずっと長いのですが、とにかく完成しました。
その間に自分の周りの環境も全く変わってしまいました。なんでか知らんけどベトナムでＭＨなんかつくっています。
流石に、ずっと作っているとそれなりに上手くはなっていきます。最初に作った部分は結局ほとんどつくりなおしました。
作り終えてみたら粗や反省点ばっかり目に付きますが、それでもとにかく完成させることができてよかったです。これでスッキリと次に作りたいものに集中できます。

・今後への妄想

最近、ようやく、少しではありますが作りたいカタチが作りやすくなってきたように感じます。そんな感覚をそのまま勢いにして作ったのがフルスクラッチの1/220 アウェケンです。
もう一騎、1/220 で、アウェケンよりもう少しだけ丁寧にしたものを作りたいと思っています。
そして、それが終われば、今度はちゃんとフルスクラッチで1/144のＭＨを作りたいなあ、と思っています。（1/100 はまだまだ出来そうにありません）
いったいそれはいつ出来るんだろう・・・？

・その他

そういえば、1/144てことになっていますが、コイツ、結構デカイです。海洋堂の1/100くらいはあるんじゃないかなあ。でもいまのボークスやＣＡＳＴのスケールでいくと1/144でいいのかもしれない。ま、なんでもいいです。

それにしても、グルーンにしろアイオ・レーンにしろ、今後の本編での活躍を祈るばかりです。バッシュと共闘するはずですよね。ほんとですかね。
っていうかアイオ・レーンのブーレイ団長という設定が生きているのかとても気になる今日この頃です。

2004/4/28 Wombat